ローンが残る住宅を売る為に必要な手続き

一所懸命に働いて、ようやく手に入れることのできた念願のマイホーム。

新築マンションや戸建てといろいろあるが、憧れていた“我が家”の存在は毎日をバリバリと働く励みのひとつだ。けれど、借金や離婚などのやむを得ない事情で家を手放さなければならなくなったら、まだまだ住宅ローンが残っているマンションや戸建てを売却することなんて出来るのだろうか。

実は、出来る。その方法はふたつ。ひとつは競売と、もうひとつは任意売却というものである。競売とはオークション、そして任意売却とは住宅ローンが残っていても融資してくれた金融機関の同意が得られれば、家を売ることが出来ることをいう。

家は安くはない。その全額を払えないから売却という方法を選ぶわけだが、一体どんなふうに、そしていくらぐらいで売ることが可能なのだろうか。

まずは競売の場合、つまりこれはオークションであるので落札者が現れてくれなければ始まらない。しかもようやく落札したいひとが出てきても、家の内装を見ることが出来ないことや、その家についてのさまざまな説明を受けることが出来ないために、落札する側にとっての不安やリスクが大きくなってしまう。それゆえに、高くても中古物件の相場の７０％ほどの価格で売却されてしまうのだ。

一方の任意売却では、家を欲しいと思うひとが仲介している不動産屋を通して、その物件の内装を見学そることが出来、詳しい説明もしてもらえるので不安やリスクも無く、普通の中古物件と変わりなくほとんど同じ条件で、買うことが出来るのである。なので、競売ではどうしても安くなってしまう価格も任意売却ならば極端に低い価格にならなくて済むのだ。

けれど、早く買ってくれるひとを見つけるためにも、相場よりは少し安い価格で売ることにはなるだろう。

競売と任意売却との、どちらを選択したほうが良いかは、そのひとが置かれている状況によって異なるので、任意売却が必ずしも競売より得だとは言い切れないので、詳しいひとや専門家に相談したほうが良いだろう。

家が無事に売れてもローンは残ってしまうことがある。それは支払っていたローンより売却した価格が低い場合である。この残ったローンは少しずつ返済すれば問題ないものである。免除されると勘違いしているひとや、まれに勧誘のために「免除される」と言ったりする悪質な不動産屋がいるのだが、抱えている債務は返さない限り無くなるわけがないので、甘い話には気を付けるべきである。

これらのことは事故を起こしたひとという扱いとなるので、５年から７年ぐらいは、新しいローンを組むことは出来ないので覚えておこう。

手放さず得なくなってしまった大切な“我が家”。例え売却することになっても、自分の生活を支えてくれた家を、また大切にしてくれるひとのところへ送り出すことは、自分自身も新しい一歩を踏み出すきっかけになるものである。